グーちゃんにそっくりなキララ
キララは、徳島県動物愛護管理センターに捕獲された野犬です。グーちゃんに似すぎていて見捨てる事が出来ず、動物愛護管理センターから引き出し、キラキラした未来になるよう願いを込めて「キララ(綺麗)」と名付けました。
動物愛護管理センターって?
動物愛護管理センターは、世間で言われている「保健所」です。ある一定期間(徳島県の場合は7日間)が過ぎると、殺処分される場所です。もちろん、迷子犬が飼い主に返還されたり、運よく譲渡された仔や、ボランティアにより引き出された仔は、生きて動物愛護管理センターを出ることができますが、野犬の多くは殺処分されているのが現実です。
『殺処分ゼロ』を目指し、年々殺処分数は減少していますが、平成27年度の犬・猫の殺処分数は、全国で82,902匹です。1日あたり227匹、1時間当たり9.5匹の命が奪われている計算です。徳島県の殺処分数は、1,489匹です。そして、殺処分は安楽死ではありません。苦しみながら窒息死させられます。
キララとの出会い
2017年2月に、キララは動物愛護管理センターに捕獲され収容されました。徳島県の場合、収容された犬・猫は動物愛護管理センターのホームページに掲載されます。グーちゃん捜索をしている私は、ホームページのチェックが欠かせません。楽しい作業ではありませんが、グーちゃんが行方不明になってから、毎日チェックするのが日課です。
2月の中旬、ホームページをチェックすると、グーちゃんに似た犬が収容されていました。ギョッとするくらい似ていて、心臓が飛び出しそうでした。でも、本能では違うと感じていました。違うと感じていても、実際に自分の目で確かめる必要があります。野犬の捕獲で収容されたキララは、7日後に殺処分されてしまいます。
そして、多くの方から『グーちゃんが動物愛護管理センターに収容されています!早く迎えに行ってあげてください!!』と連絡を頂きました。
グーちゃんです
キララです
苦悩の日々
その当時、秋田市に暮らしている私は、すぐに確認に行くことが難しく、動物愛護管理センターに事情を話し、保管期間を延長してもらい、翌週末に徳島に向かいました。徳島に暮らすボランティア仲間に事前に確認に行ってもらうと、「違う!と断定はできないくらい似ている」と混乱し、実際にグーちゃんを見た事のある人からは「グーちゃんでしょ!!違うの???」と言われました。
動物愛護管理センターに確認に行く事は簡単です。しかし、その確認作業は、苦痛を伴うものになります。グーちゃんだと確定が出来たら、狂喜乱舞の大騒ぎができますが、違うと確定したら、キララは殺処分になります。「あそこまで似た犬を、見殺しに出来るのか?」苦悩の日々でした。一緒に捜索をしているボランティア仲間と、何時間も何時間も電話で話をし、寝られない日々を過ごし、悩みに悩んで、『収容された犬が、グーちゃんであろうとなかろうと、センターから引き出し、幸せへの橋渡しをしよう!』と決めました。
最初から野犬だったのか?
キララは、人の手の暖かさを知りません。痩せて汚れた体から、苦難に満ちた野犬生活が長かったであろう事は推測できます。キララは、野犬の仔として生まれたのでしょうか?なんとなくですが、違うと感じています。真実は藪の中で確認できませんが、仔犬の頃に遺棄された気がします。
地方では、まだまだモラルが低く、遺棄が絶えません。「勝手に孕んで仔犬(仔猫)を産んだから困った。」「殺すのは忍びないから、誰かに拾われるように置いてきた。」「乳離れしたから、勝手に生きていけるのよ!」「山に捨てた!海に流した!」「目が開く前は、魂が宿ていない。」悲しいけれど、よく聞くセリフです。地方の方を責めようとしているのではありません。
生まれて困るのなら「避妊・去勢手術」をして下さい。
「望まれない命」は産ませないでください。お願いいたします。
グーちゃんが繋いだキララの命
グーちゃん捜索に、キララのページは何の関係もありません。グーちゃんが行方不明にならなかったら、キララには気づかなかったでしょう。キララは、グーちゃんが助けた命です。キララを通して、「殺処分」「遺棄は犯罪である」「避妊・去勢の重要性」をもっと多くの方に知ってもらえるう頑張れ!!と、グーちゃんから啓示を受けたと感じています。
動物を飼うと言う事は、命の責任を負う事です。
可愛いから、癒されるからだけではありません。病気にもなるし、痴呆にもなります。
「終生飼養」最期のその一瞬まで、愛する覚悟が必要です。
不幸な命を生み出さないで下さい。
グーちゃんです
キララです
キララまさかの出産
2月に保護をしたキララに、人を信じてもらえるよう色々な事をしました。人の手が怖いのなら、足の上におやつを乗せ、食べてもらう。ほかの保護犬と人間が抱き合って遊んでいる姿を見せる。時間薬の効果もあり、やがて人の手からおやつを食べるようになりました。しかしながらキララはとても神経質でした。
食欲の低下や、嘔吐が続いていました。今から考えれば悪阻(つわり)でしたが、当時は妊娠しているなんて夢にも思っておらず、気づくのが遅れてしまいました。お腹が大きくなり、お乳が張り出し、妊娠だと気が付いたのが、4月上旬。色々と悩み、堕胎も考えましたが、すでに4月中旬になっており、母体の安全を最優先しました。
センターに収容されていた仔犬の父とキララ
そして4月中旬までに出産が始まらなかった事で、動物愛護管理センター内での妊娠だと思いました。同じ檻に入れられていた茶色の大きなオス犬が、父親であろうと推測できます。そのオス犬は、殺処分されており、この世にはいません。生きたくても生きられなかった父親の分まで仔犬は幸せになって欲しいと心から思いました。
名も無き野犬のオス犬です。でもこのオス犬も野犬になりたかったのではありません。野犬として生きるしかなかったのです。過酷な環境で必死に生きてきたのに、捕獲されてしまいました。殺される運命だと知り、動物の本能で必死に子孫を残そうとしたのだと感じました。私にはこの野犬が必死に生きようとしていた証を残してやることしか出来ません。子犬たちが立派な家庭犬になり幸せになることが、この野犬の生きた証、供養になると思っています。やさぐれた表情をしていますが、飼い犬になると表情も性格も変わるんですよ。
2017年4月23日、無事に7匹の仔犬を出産しました。
オス6匹、メス1匹だったので、七福神にあやかり、仮の名前を付けました。(大黒天のダイ君、恵比寿天のエビ君、毘沙門天のビシャ君、福禄寿のフク君、寿老人のジュロ君、布袋尊のテイ君、弁財天のベンテンちゃん)
生後3日目の仔犬
生後1週間の仔犬
グーちゃんが繋いだ7匹の仔犬の命
グーちゃんがきっかけとなり、母犬キララの命を救い、仔犬7匹の命を繋ぐことができました。オスの仔犬は里親様に恵まれ、みな幸せに暮らしています。メスのベンテンちゃんのみ里親様を募集しています。
ベンテンちゃんの詳細はお問い合わせください。人見知りが激しくビビリなので、馴れるのに時間がかかります。
グーちゃん、あなたは多くの命を救っていますよ。
グーちゃんの存在がなかったら、キララも仔犬もこの世にはいないんだよ!
グーちゃんを発見して、抱きしめて、多くの命を救った事を伝えたいです。グーちゃんらしき犬を見かけたら、間違えていても気にしません。情報をお寄せくださいますようお願い致します。
キララの闘病と旅立ち
2022年キララは、移行性上皮ガン(膀胱ガン)と確定診断されました。抗がん剤治療、分子標的薬などを試しましたが、2022年5月23日虹の橋へ旅立ちました。幸せな家庭犬として送り出すことは叶いませんでしたが、我が子のように愛し、可愛がってきました。本当に可愛くて賢い子でした。
私はキララに出会えて、幸せでした。キララありがとう!!
虹の橋で再会するまで、またね!